お盆になると仏壇や精霊棚(しょうりょうだな)に食物をお供えして、ご先祖様の供養をします。
スイカや桃、梨、ぶどうなど季節感のある果物を飾ることも多く見受けられますね。
親戚やお世話になった方のお宅にうかがう際、何を持って行けばいいのか迷うことはありませんか?
お菓子が定番と言われていますが、和菓子・洋菓子・生菓子などたくさんあります。
選択肢が多くて困りますよね。
この記事ではお盆のお供えに適したお菓子や贈答品のマナーについて紹介します。
私は和菓子店で働いていた経験がありますので、具体的にお伝えできると思います。
お盆にお供えするお菓子 適しているのは常温・長期保存できるもの
仏壇にお供えするお菓子に、明確な決まりはありません。
昔は殺生を避けるという考え方から、動物性食材を含んだものは避ける傾向がありましたが、現在では牛乳や卵を使ったお菓子もお供えに使われています。
お盆のお供えについて注意したいのは次の3点です。
- 気温
- 保存方法
- 賞味期限
日本は高温多湿。
現代の日本家屋で「冷暗所」は冷蔵庫の中だけと言われていますね。
お惣菜や調味料、スイカなどで冷蔵庫がいっぱいになる夏。
冷蔵・冷凍保存が必要なお菓子を持参すると、先方のご迷惑になることがあります。
お供えのお菓子は常温保存できるものが一番です。
また、チョコレートやキャラメル、飴など溶けやすいものもNGですね。
なるべく個包装された、長期保存できる商品を選びましょう。
常温保存できる水ようかんやゼリー、クッキー、おかきやおせんべいなどがよろこばれます。
ここで注意して欲しいのがおせんべい。
米菓ならなんでもいいというわけではありません。
昔ながらの、油を使っていない製品がおすすめです。
仏壇が置かれている部屋は多くの場合、和室。
来客があるときにだけクーラーをつけるお宅が多いものです。
そのため、お供え物は気温が高い部屋に放置されることに。
販売員時代、植物油脂を多く含んだおせんべい・揚げせんべいから油がしみだした、しけた、というお話をよくうかがいました。
昔ながらの製法で作られたシンプルなものを選ぶと失敗がありませんよ。
お盆にお供えするお菓子 価格帯は1,500〜3,000円
お供え菓子の相場は1,500から3,000円。
御中元の相場が3,000から5,000円ですから、やや低めの価格帯ですね。
大切なのは仏様を供養する気持ちです。
価格はあまり気にする必要がありません。
贈る側、贈られる側、ともに負担がかからない金額にしましょう。
お盆の時期にはお供え用の商品が多く出回ります。
弔事用のパッケージは数に限りがあり、予約注文のみのメーカーもあります。
お手頃でおしゃれな商品はすぐに品切れになりますので、準備はお早めに。
お盆にお供えするお菓子 水引は黄白、黒白、双銀いずれか
お店でかけ紙をかけてもらう場合には水引の色は黄白・黒白・双銀です。
双銀は京都・北陸で使われるゴージャスな水引。
他の地域では、百貨店でも取り扱いがない場合がありますので、どうしても使いたい場合は事前に確認するといいですね。
表書きは「御供」「御仏前」「供物」などが適しています。
訪問先が四十九日を過ぎていない場合には「御霊前」を選びましょう。
よく、水引の色について関東は黒白、関西は黄白と言われますが、地域によって異なります。
よくわからない場合はお店の方にたずねましょう。
名古屋や新潟は黒白、黄白どちらも使います。
1周忌まで黒白、それ以降は黄白など使い分けるので注意が必要です。
かけ紙はギフトショップで最もトラブルの多いもの。
表書き、名前は何度確認してもし過ぎることはありません。
苗字に旧漢字、異体字がある方は要注意。
一字ずつ、ていねいに確かめましょう。
まとめ
お盆のお供えは洋菓子・和菓子どちらでもかまいません。
適しているのは常温で長期間保存できるもの。
個包装の商品がよろこばれます。
チョコレートやキャラメルなど溶けやすい商品、油を使ったおせんべいは避けましょう。
常温で保存できる水ようかんやゼリー、焼き菓子や米菓がおすすめです。
かけ紙の水引は黄白、黒白、双銀。
表書きは「御供」「御仏前」「供物」などですが、四十九日の前であれば「御霊前」です。
お盆は、故人をしのぶためのよい機会。
大切にしたいですね。