お盆になす・きゅうりを飾るのはなぜ?【精霊牛・馬の作り方・飾り方・処分方法を解説】

田舎暮らし

お盆の期間には、なすやきゅうりに割りばしを刺して精霊棚に飾る風習があります。

夏の風物詩でイラストや絵ハガキに描かれることもしばしば。

なつかしく、季節を感じさせますね。

これは、「精霊牛」(しょうりょううし)「精霊馬」(しょうりょううま)といって、ご先祖様を送迎する乗り物です。

この記事では「精霊牛」「精霊馬」の作り方、飾り方から処分方法まで紹介します。

そもそも「精霊牛」「精霊馬」とは

8月13日には迎え火を焚いてご先祖様が迷わないように目印にしますね。

その時、乗り物になるのが「精霊牛」「精霊馬」です。

旬の野菜を動物に見立てているのですね。

遠いところから戻ってくる方々への心づかいが形になった、日本らしい習慣です。

行きは早く帰ってきていただきたいからきゅうりで作った「精霊馬」に、帰りは名残おしいから「精霊牛」で、といわれています。

これは地域・宗派によっても差があります。

往復で「牛」「馬」が逆の地域、「精霊牛」「精霊馬」を作らない地域があります。

一般的に、「精霊牛」「精霊馬」は東日本の習慣といわれていますね。

地方によっては、カヤ・マコモで馬や舟を作ることもあります。

沖縄ではサトウキビを2本、仏壇のそばにたてかけて杖に見立てるのだそうですよ。

土地によって多種多様なしきたりがあって興味深いですね。

みょうがに爪楊枝を刺して「精霊鳥」(しょうりょうとり)を作るところもある様子。

かわいらしいですよね。

宗派での違いでいえば、乗り物を飾らないのは浄土真宗。

浄土真宗には「お盆にご先祖様があの世からお戻りになる」という概念がないからです。

お盆はあくまでも自分が精進する期間という扱いなのですね。

ただし、お寺様と一般家庭では違いますし、それぞれのお家でお盆のしきたりがあります。

「精霊牛」「精霊馬」の作り方

お店でなすときゅうりを買ってきたら、洗って室温でおいておきましょう。

冷蔵庫に入れるのはNG。

野菜が冷えると、外気に触れて水滴がつきます。

精霊棚が濡れるので注意しましょう。

適当な長さに切った割りばしを刺します。

きゅうりに刺す割りばしは長め、なすは短めにするのがポイント。

馬の脚が長く、牛が短いことから、このように作ります。

なすもきゅうりも短めのものを選ぶと、見栄えがいいですね。

特にきゅうりは長すぎるとドラゴンのようになるので注意してください。

精霊牛・精霊馬の飾り方

8月13日は頭を家の内側に向けて飾ります。

15日には外に向けて飾りましょう。

ご先祖様の行き来がスムーズになります。

お皿や小さなトレーの上に置いておくと机を傷つける心配がありません。

精霊牛・精霊馬の処分方法

ふだん、お供えした食物は家族でいただくもの。

ですが、精霊牛・精霊馬にした野菜は食べません。

割りばしで傷をつけ、高温多湿な中3日間飾ったものなので傷んでいる可能性があること、ご先祖様が使われたものであることがその理由。

昔は精霊流しの際に一緒に流したり、燃やしたり、土に埋めたりしたようです。

今でも、可能な方は上記の方法で処分してください。

集合住宅にお住まいの方は、塩でお浄めをしてから捨てましょう。

まとめ

お盆になすやきゅうりを飾る風習。

「精霊牛」「精霊馬」といってご先祖様の乗り物になります。

なすが牛、きゅうりが馬ですね。

東日本の風習といわれ、西日本ではあまり行われません。

地域や宗派によっても異なります。

行きは早く帰ってきていただきたいから「馬」。

帰りは名残おしいから「牛」。

沖縄ではサトウキビを杖に見立てるのだとか。

カヤやマコモで舟を編んだり、みょうがと爪楊枝で「精霊鳥」を作ったり地域もあるようです。

8月13日には頭の向きを家の内側に、15日には外側に向けて飾ります。

最後は精霊流しで川に流したり、燃やしたり、土に埋めたりするのが一般的。

集合住宅で実行できない方は塩でお浄めしてから捨てましょう。

季節を感じさせ、目に見えない存在への気配りを忘れない、日本らしい風習。

これからも大切にしたいですね。

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