節分の晩は、恵方巻や節分汁、またはけんちん汁を食べるご家庭が増えています。
また、いわし料理を作るお家もありますよね。
「いわしの頭を柊の葉に刺して飾るのは知っているけれど、料理にもするの?」
そんな疑問を持つ方もいらっしゃるでしょう。
この記事では、節分の日にいわしを食べる意味、いわし料理のレシピについて紹介します。
いわしが苦手な人にも食べられるレシピがありますので、興味がある方は最後まで読んでくださいね。
節分の日にいわしを食べるのはなぜ?
そもそも、節分の日にいわしの頭を飾ったり、食べたりするのはなぜでしょう。
それは、鬼がいわしのにおいを嫌うとされているからです。
海外では吸血鬼がにんにくのにおいを嫌うといわれていたり、ホワイトセージやローズマリーに悪魔除け効果があるとされていたりします。
それと同じようなことですね。
「節分いわし」は、節分のシーズンに焼いたいわしの頭を柊の枝に刺した飾りを指します。
焼いたいわしのにおいと、柊の尖った葉で魔除け効果が増幅すると考えられていました。
節分の日に食べられるいわし料理も、昔は塩焼きが一般的なメニューでした。
これは、いわしを焼くときに出る「トリメチルアミン」が強烈なアンモニア臭を発するため。
いわしに含まれるうまみ成分トリメチルアミンオキシドが腐敗してできる成分です。
めざしを焼くと、キッチンがしばらくにおうのはこのせいですね。
強烈なにおいが嫌われたのか、平安時代にはいわしが「下賤な魚」とされていました。
いわしが大好物であった紫式部は、家族に隠れて食べていたといわれるほどです。
「鬼が嫌うほど強烈なにおいを発する、下品な魚」。
昔の、いわしに対するイメージは散々ですね。
節分の日に食べたいいわし料理レシピ
このように、本来は節分の日にいわしを塩焼きにするのが正しい作法。
ですが、現代、本気で「鬼がいわしのにおいを嫌う」と信じている人は少ないかと思います。
やはり、縁起物でも食べやすさやおいしさにこだわりたいところですよね。
伝統的ないわしの梅干し煮やいわしの酢漬けもいいですが、今回は洋風のレシピをご紹介します。
とても簡単なものばかりですので、ぜひ、挑戦してくださいね。
いわしの香草ソテー
開いたいわしに塩・こしょうをして、ローズマリーやタイムをふりかけ、オリーブオイルで焼きます。
つけ合わせはレモンにするとさわやかです。
いわしが発する強いにおいを、ローズマリーやタイムが中和してくれます。
いわしのマリネ
刺身にできるほど新鮮ないわしが手に入ったときに試していただきたいのがマリネ。
開いて、中骨をとったいわしに、塩・こしょうをして皮をはぎ、4つに切ります。
玉ねぎ、ピーマン、にんじんは薄くスライスします。
- 酢 70cc
- 酒 70cc
- 砂糖 2つまみ
- タイム・バジル・ローリエ 少々
- 刻んだにんにく 少々
これらを混ぜて、さっと煮たてマリネ液を作ります。
皿に盛ったいわしに野菜とマリネ液をかけたら出来上がりです。
オイル不使用で、あっさりしたマリネ。
香草と野菜がいわし臭さを消してくれます。
翌日がお仕事の方は、にんにくを省略したり、乾燥にんにくを使ったりアレンジしてください。
いわしのパスタ
トマトソースに、塩・こしょうをしてソテーしたいわしを加えるだけ。
ボリュームのあるパスタソースになります。
スパゲッティーでもショートパスタでもおいしくいただけます。
入手できれば、フェンネルと相性抜群。
松の実を加えれば、イタリアンレストランのレシピみたいになりますよ。
まとめ
節分の日にいわしを飾ったり、食べたりするのは鬼がいわしのにおいを嫌うため。
一種の魔除け効果を狙った風習です。
この日はいわしの塩焼きを食べる習慣がありますが、めざしや塩焼きが苦手なご家族がいらっしゃるかもしれません。
その場合は、臨機応変に洋食メニューでのぞみましょう。